里山の風情あふれる佇まい~高畠・安久津八幡神社の三重塔【秋冬編】
- 2019.01.05
- 置賜さんぽ

大阪から山形県置賜地方への移住を計画しているモモです。
その準備のため、この年末年始も置賜で過ごしているところです。
何度かこのエリアに足を運ぶうち、すっかり気に入ってしまった場所がいくつかあります。
米沢の綱木川ダムがその筆頭で、今回ご紹介するのはもっと気軽に行ける高畠町の神社。
置賜地方唯一の層塔を擁する阿久津八幡宮です。
貞観2年(860年)、慈覚大師が豪族・安久津氏の協力で阿弥陀堂を建てたのが始まりと伝えられています。
慈覚大師こと円仁といえば、宮城・松島の瑞巌寺や岩手・平泉の中尊寺、山形の立石寺など、東北地方には彼を開祖とするお寺がたくさんありますね。
かつてこの地域を長井氏や伊達氏が支配した時代には繁栄著しく、広大な境内に神宮寺なども存在したようですが、現在は参道の入口に三重塔、その途中に舞楽殿、奥に本殿が残るほかは侘しい様子。
しかし私はこの三重塔の佇まいにどうにも心惹かれ、置賜を訪問するたびに足を運んでしまうんです。
こちら↓は9月に初めて訪れた時の様子。
里山を背に、田んぼや樹木に囲まれ、ごく自然にそこにある感じが素晴らしく良いと感じます。
まるでタイムスリップしたかのような気分を味わえる。
さらに今回、雪の安久津八幡を見るべく再訪。
吹雪いてとても寒い日でしたが、葡萄園の棚の雪下ろしをした後に行ってみました。
観光地として整備された古都ではなく、農村に建つ古い塔の趣、味わい。
厳しく美しい世界にぐっときます…。
どちらの季節もこの塔に実に似つかわしく感じるのは、里の風景に溶け込むように建っているからでしょうか。
再び、爽やかに晴れた秋の空と三重塔。
吹雪の中の三重塔。
季節がひとつ進んだだけでこの表情のちがい、これぞ置賜の魅力かなと思います。
古い石畳の参道を奥に進むと、宝暦5年(1765年)に建てられた茅葺の本殿があるのですが
先日は参道が雪に閉ざされていたので、三重塔のみ堪能して来ました。
やはり木造の塔には雪がよく似合う、特にこの三重塔には。
まさにわび・さびの世界ですね…。
農作業用の長靴で雪をかき分け、塔の真下まで近付いてみました。
こんな吹雪の日が続く長い冬を200回以上越えてきたと思うと、なにか圧倒される(現在の三重塔が完成したのは1797年)。
池も大部分が凍りつき、残った水面に映る枯れ木。
ところで、高畠町の私の第一印象は「里」で、日本昔ばなしに出てくる山里の雰囲気そのままに感じます。
それは単にのどかな風景が広がっているからではなく、とても古いものがそのまま残されているのを目の当たりにするからで、安久津八幡の境内にもそれがあふれています。
阿久津八幡にはまほろば古の里歴史公園が隣接しており、のんびり散歩するのに最適です。
農作業のお昼休憩をここでとることも。
きれいな芝生や池の水鳥たちを見ながら食べるお昼ご飯は、とても美味しい。
向かいには道の駅たかはたもありますよ。
高畠を訪問の際にはぜひこのエリアを散策してみてください。
秋の塔と冬の塔をじっくり鑑賞した今、移住後の春の塔が早く見たくてしかたないモモでした。
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