有機農業の里・高畠で昔ながらの稲刈りをお手伝い~初めての杭掛け

有機農業の里・高畠で昔ながらの稲刈りをお手伝い~初めての杭掛け

大阪から山形県の置賜地方に移住し、大学の先輩が営むぶどう園で働いているモモです!

置賜の中でも高畠町は、有機農業にいち早く取り組んだ方々の里。

化学肥料や除草剤を使用せず、昔ながらの自然栽培でお米や野菜を育てている方々がいらっしゃいます。

そんな高畠で先日、初めて田んぼのお手伝いをする機会に恵まれました。

気づけば秋、稲刈りの季節です。

 

有機米の里・高畠にて

先日、9月15日の夕方近くのこと。

この日は園主先輩が米農家さんの稲刈りを手伝っており、それが昔ながらの農法で貴重な光景なので「時間があったら見に来てみたら?」という言葉を思い出し、車を走らせました。

一面に広がる黄金色の稲田は、これが日本で最も美しい風景ではないかと思われるほど。

園主先輩が手伝っている農家さんは、高畠の有機農業の中心的人物でもある篤農家・Nさん

 

 

実はぶどう園が隣同士で、ふだんからアドバイスや立派な農作物を頂いたりしてお世話になっているんです。

Nさんは稲を刈り取り脱穀・選別までできるコンバインではなく、稲の刈り取りをして結束させるバインダーという機械を使用されています。

 

 

そして杭が立てられているのでお分かりのように、バインダーで束ねた稲は杭掛けして天日干しした後に脱穀を行うので、手間がかかる手法です。

さてバインダーを操るNさんとは別に、刈られた稲を6把ひとまとめにし、それを杭の脇に7組積んでいくチームの皆さん。Nさんの奥様とご友人、園主先輩です。

 

 

それにしても稲を6把ずつ地面から持ち上げて運んでいくのは、かなりの重労働にちがいない…Nさんご夫妻は70代だし、だから園主先輩が頼りにされているわけで…

ちょっと膝は悪いし体力にも自信はないけれど、私にも手伝えないだろうか…?

などと逡巡するも束の間、Nさんが目の前を通られたので「私にもお手伝いさせてください!」と思い切って直談判してしまいました。

皆さんの物理的負担が少しでも減ればという気持ちと、貴重な機会だからやってみたいという気持ち。

「大変だけどできるならおいで。」というのがNさんのお返事でした。

 

雨の中の田んぼデビュー・稲刈り体験

翌朝、前日とはうってかわって秋雨の中、田んぼに入れる合羽を買って向かいました。

この日のメンバーはNさんご夫婦と息子さん、昨日もいらしたご友人の女性、園主先輩に私です。

体力勝負!稲運び

まずお手伝いしたのが、バインダーが束ねた稲を6把にまとめ、さらにそれを7組ずつ杭の脇に積んでいく作業

1本の杭につき7セットですから、数が分からなくならないようそれぞれ「1!」「2!」「3!」と声に出しながらテンポ良く積み上げていきます。

 

 

↑この画像は前日のものですが、当日は雨で稲穂が重くなっていたので、6把1セットの稲を抱え上げるのも簡単ではありません。

持ち上げて運んでは積み、持ち上げ運んでは積み…涼しい日でしたが、10分も経たないうちに汗だくに。

それでも自分より小柄で高齢の方々がひょいひょい稲を持ち上げるのを見て、へばってはいられません。

置く時は穂の向きを揃えるので、その向きによっては敢えて歩数を多くしても自分の体が楽なように、自分なりに工夫しつつ、ひたすら体を動かしました。

 

技術に感動!杭掛け

さて杭元に集められた42把の稲の束。

これを井形に組んでいくのですが、単に積み重ねていくわけではないんです。

まずは1本の横木を紐で杭に縛りつけ、その上に横木と直角に稲束を2つずつ、杭を挟む形で並べたら、逆向きにもう1束ずつ積み重ねます(ここまでは横木に稲束を掛ける感じ)。

次に横木と同じ向きで稲束を2つ並べて重ね、片方の一部を杭に回し込み、安定を図ります。

続いて反対向きに稲束を重ねたら、後は時計回りに2束ずつ重ねていき、最後の2把で全体を抑えるように固定。

 

 

 

杭掛けのやり方は農家さんによって多少違うようですが、Nさんのやり方は少ない道具で美しくしっかり組まれていて、私は助手をしながら感動してしまいました。

そう、助手といえばこの杭掛け作業、二人一組で行ったんですね。

私はNさんとやることになって緊張したのですが…言葉の説明がほとんどないままに、気付いたら役割が決まっておりました。

杭の半ばまではNさんの積んでいく稲束を抑える係、高いところになるとNさんがいちいちしゃがまなくていいように稲束を2つずつ差し出す係

この、両手で稲束を持ち上げてパスする作業にうんと腕力を使いました(難有りの膝の負担を軽減しようとした結果)。

Nさんが受け取りやすいタイミングと高さを考えて稲束を差し出したつもりでしたが…後半は腕がプルプルで、ただただ必死でした。

↓最初に杭掛けをお手伝いした列。

 

 

なんか、この画像を見るだけで嬉しくなる!

それにしても、70代後半でこの列をノンストップ杭掛けできる体力ってすごい。

Nさんの作業はスピードも速いですから、技術はもちろん、タフさにも敬服せざるを得ませんでした。

 

後日談とまとめ

ベテラン農家のNさんご夫婦にならい、夜はマグロを食べ翌日には温泉に入ったのですが…情けない話、昨日午後になると関節が痛みだし、38度の熱まで出てしまいました。

ものすごい汗をかいた後に急に冷えたからかもしれませんし、集中して負荷をかけすぎたのかもしれません。

でも覚悟していた筋肉痛は思ったほどひどくなく、体を使って作業した後の達成感や充足感の方をより強く感じています。

体力面で迷惑をかけないかが心配でしたが、だからといって「できるかなあ?大丈夫かなあ?」などと悩んでいても答えは出ず、やると決めてしまえばやるんですよね。

田んぼのいい匂いと美しい景色の中で作業するのは気持ちのいいことですし、伝統的な米作りの現場を垣間見ることができ、志願して本当に良かったです。

 

 

この杭掛けの一週間後には、稲の反対側を乾かすために“掛けかえ”という作業を行うそうです。

と簡単に言いますが、200を超える杭の数…。

気の遠くなるような作業量に感じますが、すべては安全で美味しいお米作りのためだそうで、その情熱の熱量たるや。

Nさんという農家さんの迫力のようなものを感じ、色々と思うところがありました。

この日お世話になった皆さま、本当にありがとうございました!