六面幢と石鳥居を見に~「神様」の存在を感じる高畠町・高房神社

大阪から山形県に移住予定のモモです!
山形のどこに住むつもりかというと、置賜地方。
きっかけはこちらに書いた通りですが、初めて滞在した際、置賜には個人的に心惹かれる要素がいくつもありました。
中でも私の心のど真ん中をとらえて離さないのが、道端の石碑や石仏たちです。
古い古い石の像を見ていると、この地方の歴史の長さ(縄文時代から人々が生活していた地域)と信仰の深さを感じます。
特に「六面幢(ろくめんどう)」と呼ばれる六角柱の石幢が道端に立つ様は、非常に興味深い!
なにしろ15回以上の引越しを経験し、様々な土地に住んできた私でも、初めて目にする光景でした。
今月の置賜ステイ最後の日、園主先輩が「どこか行っておきたい所あるかー?」と声を掛けてくれた時、迷わず「六面幢が見たいです!!」と猛アピール。
見事な石鳥居も気になっていた高房神社に連れて行っていただきました。
高房神社と石鳥居
高畠町の元和田にある高房神社。
地元の方によると、それはそれは古く「霊験あらたかな神社」なのだそうです。
県指定文化財になっている石鳥居
高房神社は、昭和27年に県指定文化財に登録された立派な石鳥居で有名です。
石製で柱が太くどっしりとした存在感がありつつ、優美な風格も兼ねそなえている。
それはこの鳥居独特の形状に拠るところが大きいと思います。
実はこの鳥居、作りがかなり特徴的なんです。
まず笠木(かさぎ)に反りがあり、柱に僅かな傾斜がありますから、鳥居の形としては「名神鳥居」ですね。
ただよく見ると、笠木だけではなく、島木(しまぎ)にも緩やかな反りがあるんです。
それぞれ一石でできているのに!すごい!!
本当に美しい形状ですよね~。
右柱は貫(ぬき)のところで、
対して左柱は貫の下で繋ぎ合わされています。
こんなふうに石をぴったり水平に重ね合わせるには、素晴らしい技術が要ることだろうなあ。
雪で入っていけませんでしたが、「天文七戊戌九月十八日」と読める刻印があるそうです。
天文七年=1538年…と言えば、室町時代ですよー!なにか、感動してしまいますね。
しかももっと古いのではという説もあるようです。
元は「山の神鳥居」と言われ、福島寄りの山深い所にあったのを現在の場所に遷したのだそうです。
長らく信仰されてきた重みをまさに体現している鳥居です。
境内を歩く
それでは参道を通って本殿へ詣りましょう。
鳥居の脇の道を登って行きます。
隣に万徳院というお寺があるのですが、途中、そこで供養しているペットのお墓がありました。
亡くなった犬や猫たちの小さな卒塔婆がたくさん立っている。
こういう風景を初めて見ました。
雪の石段を登ります。
参道脇にはやはり石碑や石仏があります。お墓のようなのもあり、それは万徳院さんのなのでしょう。
石段を登り切ると拝殿が見えます。
これまた味わいのある…
なんだか物語の中に出てきそうな、それでいて「ちゃんと神様がいる」と感じさせるような。
そんな佇まいだと思います。
扉は閉ざされており、ご挨拶をして帰りました。
この石段を降りた所にある小さな灯籠がかわいかったな。
動物の足跡もありました。
「六面幢」
ところで六面幢は「六地蔵」とも呼ばれ、六角柱の一面ごとにお地蔵さまが彫られた石像です。
かつて布教の一環として目立つ場所である街道沿いに作られたものを、地元の人々が信仰し大事にしてきたもの、と本で読んだことがあります。
そんな六面幢の一基が、高房神社の石鳥居の横にあるんです。
こちら。
石鳥居と同じ種類の石が使われていますね。高畠町で採掘された石です。
この幢もよほど古いのでしょう、彫刻はかなり風化していました。
上の段の上部は平らに整えられているので、本来は笠が載っていたのではないでしょうか。
そばには小さな祠があり、脇に石碑・石仏が並んでいます。
そのうちの一基が傾いて今にも倒れそうで、とても気になる…
並んでいると、一つ一つの由緒が知りたくて仕方なくなるモモなのでした。
まとめ
再び地元の方のお話によると、この神社は地元の方々の支えで維持されているそうです。
しかしこの集落の人口も減っており、あと何十年かしたらどうなっているか…ということでした。
同じ置賜の米沢出身の園主先輩は、「人が来なくなったら神様はいなくなってしまう」と言います。
高畠といえばまず亀岡文殊が浮かぶと思いますが、この地域を訪れた際にはぜひ高房神社まで足を伸ばしてみてください。
「神様がいる」と思えるうちに。
ところで、鳥居の背後にあるのは桜の木です。
開花までに移住を実現させ、この春、ここで桜を見られるよう頑張りたいと思います。
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